波佐見焼と波佐見焼フォトの物語

日本の磁器の歴史は西暦1600年頃に、九州の有田地区で始まったといわれています。その時代の遺跡を発掘すると、当時の磁器の破片が当時の姿そのままに出てきます。このように磁器に刻まれた形状の記憶は数百年の時を経ても劣化することなく、ほぼ永久に保存することが可能です。画像を記録するメディアは、写真フィルムや印画紙からハードディスクやCD等の光ディスクに取って代わられましたが、これらのメディアの寿命は数年から数十年といわれています。

波佐見焼は、有田町に隣接する波佐見町で生産されている陶磁器の総称で、有田焼と同様の古い歴史を持つ焼き物です。波佐見焼の特長は、比較的安価で高品質の日用食器を大量生産できることです。これは、石膏で作られた型に磁器の原料である磁土を流し込み生地を大量生産することで可能となります。波佐見焼フォトには、この石膏型の技術が使われています。

従来の石膏型は、職人達が手作業で加工することによって制作されていました。この手法は後世に残すべき重要な技術です。しかし、手作業による加工では写真のような高密度の情報を磁器の形状に写し取ることはできません。

そこで、波佐見焼フォトは精密石膏型をコンピューター制御されたNC切削機械で直接削り出すという全く新しい手法を使って制作しています。これによって、写真のような高精細の画像をセラミックパネル(磁器パネル)上に加工し、ほとんど永久に残すことが可能になったのです。

セラミックパネルの出来るまで

画像の前処理と機械加工指示の作成
画像処理ソフトで処理した画像をCAD/CAMソフトに移管して石膏型の加工指示コードを作成します
NC切削加工機械による石膏型の加工
加工指示コードに基づいてNC加工機械が石膏型を削り出します
圧力鋳込み成形機による生地の成形
セラミックパネルの原料である磁土を石膏型に流し込んで成形します
焼成炉による生地の焼成
石膏型から生地を取り出した後、ガス窯で焼成します